用語集 / お茶の知識 / TEA LIBRARY

スリランカの標高区分

スリランカで生産されている紅茶は製茶工場のある標高によって3つに分けられている。

〈ハイグロウンティー〉

標高1200メートル以上で生産された高地産茶のこと。
セイロンの高級品にランクされ、ウバ・ディンブラ・ヌワラエリアは《セイロン3大ハイグロウンティー》といわれている。

〈ミディアムグロウンティー〉

標高600~1200メートルで生産された中地産茶のこと。
代表的なものはキャンディ。

〈ロウグロウンティー〉

標高600メートル以下で生産された低地産茶のこと。
代表的なものはルフナなど。

モンスーン

季節風のこと。5~9月には南西から、1~3月には北東から吹く季節風が大量の雨を降らせるが、高い山脈があると、その反対側には乾いた風が吹きつける。この乾燥した期間に紅茶の品質がよくなる。

クオリティーシーズン

紅茶の産地では年に何回か茶摘みが行われるが、年間をとおして最も香りが強く品質のよいお茶が収穫出来る時期を《クオリティーシーズン》と呼んでいる。収穫量が少なく、僅かしか採れないため希少な茶葉となる。

世界三大銘茶

19世紀末から20世紀はじめにでそろった紅茶で、《スリランカのウバ》《インドのダージリン》《中国のキームン》のこと。それぞれが個性あふれる香りと味をもち、イギリスの伝統的なアフタヌーンティーの必需品とされてきた。

ゴールデンリング

ティーカップに茶液を注いだときに、カップの内側のふちに浮かんでみえる金色の輪のことをいう。高品質の証拠といわれているが、セイロン紅茶のウバが一番よくみえる。ガラスのカップやコーヒーカップではみえない。

シンハラ朝の都

紀元前5世紀に仏陀の遺骨が分骨されインド各地に渡ったが、大歯はカリンガ王国(インド東部)へ・・・
時を経て、紀元前4世紀にカリンガ王国の王女がシンハラ王家に嫁ぐことになり、その時、仏歯もシンハラ朝へと渡る。シンハラ朝はこの仏歯を大切にして王家の象徴とした。その後、シンハラ朝は戦いの度に都が変わり仏歯も各地を転々としたが、1592年にキャンディに都を移し、その8年後、1603年に王宮内に仏歯をまつる寺を建てた。キャンディは、1815年、イギリスの完全植民地支配下となりシンハラ朝が滅亡するまで王国の中心として栄えた。
「シンハラ」とは、シンハラ語で「獅子の子孫」の意

ジェームス・テーラー

イギリス人。「セイロン紅茶の生みの親」といわれている。
スコットランドの東岸の小さな村に生まれ、17歳でセイロン(スリランカ)に渡り、キャンディ近くのコーヒー農園で働き始める。このコーヒー園の一画で試験的に茶の栽培をおこない、1866年には製茶の実験をスタート。翌年には、茶園経営を始めた。1869年、セイロン島のコーヒー園で「さび病」が大発生し、セイロン島のコーヒー産業は壊滅した。このあと、コーヒーに代わって新しい産業として定着した「紅茶」は、ジェームスの努力があったこその産物といえる。

CTC製法

オーソドックス製法に対して、近年、急速に普及してきた紅茶の製造方法。アンオーソドックス製法。
CTC製法とは、クラッシュ(つぶす)、ティア(引き裂く)、カール(粒上に丸める)の略。1930年代に考案された特殊な柔念機(CTC機)を使った製法のこと。CTC製法で作られたお茶は、外観は丸く粒状で茶液を短い時間で濃く抽出できる。

オーソドックス製法

伝統的な紅茶の製造方法。製造工程で柔念機としてCTC機を使わない。現在では、CTC製法でないものをオーソドックス製法としている。

ウバフレーバー

ウバを飲んだときに感じる、スーッとしたメンソールの香りのこと。このウバフレーバーが感じられるものが高品質とされている。

スモーキーフレーバー

キームン紅茶を喩えるときに使われる、燻製のように、いぶしたような独特な香りのこと。

モルティーフレーバー

スモーキーな中に甘みを含んだような奥深い芳醇な香り